「暑いから、水をいっぱい飲むのはいいこと。」
そう思っていたのに、なんだかやたらと減りが早い。
うちの子、こんなに水飲んでたっけ…?
実はその「水の飲みすぎ」
夏場によく見られる体調異変の“サイン”かもしれません。
今回は、犬の“多飲”の裏に隠れているかもしれない体のSOSを獣医師監修の知見から解説します。
犬が夏に水をたくさん飲む理由

- パンティングによる体温調節:犬は汗をかけないため、口呼吸(パンティング)で熱を逃がし、その際に水分が奪われます。
- 高湿度の影響:湿気が多いと熱が逃げにくく、さらに体に熱がこもるため飲水量が増えます。
- 運動や散歩後:遊んだり走った後はパンティングが激しくなり、自然と水を多く欲しがります。
- ドライフード中心の食生活:食事から摂れる水分が少なくなると、その分水で補おうとします。
- 塩分の多いおやつ:ジャーキーやクッキーなど塩分が高いと体が水を欲するようになります。
- ストレスや環境の変化:引っ越し・騒音・留守番なども多飲の原因になることがあります。
こんな時は注意!多飲の裏にあるかもしれない病気

原因 | チェックポイント |
---|---|
熱中症・夏バテ | 呼吸が早い、ぐったりしている、食欲が落ちた |
胃腸の疲れ | 下痢や嘔吐、水をがぶ飲みする |
慢性腎臓病 | 尿が多い、薄い、頻尿、シートの交換頻度が増える |
糖尿病 | よく食べるのに痩せていく、水ばかり飲む |
脱水症状 | 歯茎が乾く、皮膚をつまんでも戻りが遅い |
どれくらい飲んだら「多すぎ」?

目安:体重1kgあたり40〜60ml/日が基準。
100ml/日を超えると“多飲傾向”とされます。
- 例:5kgの犬 → 通常は200~300ml/日、500mlを超えたら要注意
- 水を飲むタイミング・量・頻度を記録してみよう
飼い主ができる対策・見守りのコツ

- 常温水を複数箇所に設置(冷たい水は胃を冷やしやすい)
- 食事からも水分をとらせる(ウェットフード、スープ)
- 飲んだ後にぐったりしていたらすぐに相談を
- 留守中も室温25℃前後、湿度50~60%を保つ
- 朝・晩の水量を測って記録しておく
- 夏用マットや冷感ベストなども併用する
まとめ|「なぜ飲むのか?」に注目して!
「たくさん水を飲んでいるから安心」ではなく、「どうしてそんなに飲むのか?」を見つめ直すことが大切です。
小さな変化こそが、大きな病気の“予防サイン”になります。
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