犬は言葉を話せない分、体やしぐさで気持ちを伝えようとしています。特に小型犬は環境の変化や音に敏感なことが多く、飼い主が見逃してしまいがちな「小さなSOS」を日常的に出しているかもしれません。
小型犬特有の傾向とは?

現時点では、小型犬と大型犬で明確に比較したストレス行動のデータはありません。しかし、体の小さな犬は音や環境に過敏に反応しやすく、留守番などでも不安を感じやすいとされています。サインが小さく、一瞬しか見られないこともあり、注意深く観察しないと見逃してしまうことも。
ストレスサインのレベル別一覧

◆ 軽度(初期)
- 舌をペロッと出す
- 視線を逸らす
- 大きなあくびをする
→ 散歩中や知らない犬に会ったとき、緊張や不安を感じている可能性があります。
◆ 中程度
- 体が固くなる
- 耳を伏せる
- 尻尾を下げる・丸める
→ 獣医で診察を待つ間や、苦手な環境でよく見られます。
◆ 高程度
- 唸る
- 歯をむく
- 噛みつく
→ 軽いサインを無視され続けると、攻撃行動に発展してしまうこともあります。
「いい子」ほど見逃される落とし穴

しつけができていておとなしい子でも、実は我慢しているだけということがあります。「サインを出さない」のではなく、「目立たず短い」ために見逃されているケースが多いのです。普段から小さな変化に気づけるようにしましょう。
カーミングシグナルとは?

犬がストレスや不安を感じたとき、自分や相手を落ち着かせようとしてとる行動のこと。吠える・噛むといった攻撃行動の前に見られる「平和的なボディランゲージ」です。
◆ よく見られるカーミングシグナル
- あくびをする
- 鼻を舐める(空中ぺろ)
- 視線をそらす・顔を背ける
- 体を掻く
- 体をブルブルと震わせる
- 床の匂いを嗅ぐ
- ゆっくり動く・伏せる
→ 「これ以上刺激しないで」「落ち着きたい」といった気持ちのサインです。無視せず、そっとしてあげましょう。
飼い主ができる対策と予防

◆ 適度な運動と遊び
小型犬でも、1日20~30分程度の散歩や室内遊びが必要です。引っぱりっこや知育おもちゃでの遊びもストレス解消に効果的です。
◆ 安定した環境づくり
生活リズムや部屋の温度・音・においに配慮を。安心できるスペースを確保してあげましょう。
◆ 苦手な刺激への慣らし
花火や雷が苦手な子は、小音量の動画などから少しずつ慣らしていくと効果的です。
◆ 病院慣れのトレーニング
キャリーや病院に慣れさせ、通院にはおやつやおもちゃを。ポジティブな体験にしてあげましょう。
まとめ:気づける飼い主こそ、信頼される

犬は「イヤだな」「こわいな」と思ったとき、必ず何かしらのサインを出しています。それに気づけるかどうかが、犬との信頼関係を深めるカギ。「喜んでると思ってたのに…実はストレスサインかも?」という視点を、今日から少し意識してみてください。


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