ふわふわモフモフが魅力のポメラニアン。
「最近ボリュームが落ちた気が…」「地肌が黒っぽく見える…」──
そんなとき疑われるのがアロペシア X(別名ブラックスキン病)です。
“放っておけば治る” わけではないこの脱毛症。早めに原因を知り、的確にケアしてあげましょう
1. そもそもアロペシア Xって?

項目 | ポイント |
---|---|
別名 | 形成不全性脱毛症/成長ホルモン反応性脱毛症 など |
好発犬種 | ポメラニアンが最多(ほかチワワ・柴犬・サモエド等) |
発症ピーク | 1〜5歳(避妊・去勢の前後で顕在化しやすい) |
主な特徴 | 体幹の左右対称性脱毛+皮膚の黒色化 ※かゆみはほぼ無し |
2. 受診ラインになる症状チェック ✅

- 首回り・お尻・尾が “ラットテイル” 状に細くなる
- シャンプーしても ボリュームが戻らない
- 皮膚が灰色〜黒に色素沈着
- かゆみは軽い or ほぼゼロ
上記が 2 つ以上 当てはまれば、早めに皮膚科診療を!
3. 原因は? ─ 有力メカニズム

- 性ホルモンの感受性異常 … 成長ホルモンと副腎系ホルモンのバランス乱れ
- 毛周期ストップ説 … 毛根が休止期のまま成長相に戻らない
- 遺伝素因 … 2019年ゲノム解析で「Alopecia X リスクハプロタイプ」同定
4. 獣医さんで行う診断ステップ

- 視診&問診(年齢・去勢歴・ケア状況)
- 除外検査:甲状腺機能低下症/副腎機能亢進症/真菌・膿皮症
- ホルモン刺激試験(ACTH・GH)+血液スクリーニング
- 皮膚バイオプシーで 毛包休止+黒色変性 を確認
5. 現在選べる治療オプション

療法 | 目的 | ポイント |
---|---|---|
メラトニン投与 | 毛周期リセット | 8週で再生率43%(臨床試験2021) |
トリロスタン ほか副腎抑制薬 | ホルモン調整 | 部分改善例あり。定期血液チェック必須 |
PRP+マイクロニードル | 皮膚再活性 | 研究段階。症例レポート増加中 |
低刺激保湿シャンプー | 皮膚バリア保護 | pH6.5・セラミド入りが◎ |
UVカットウェア | 色素沈着予防 | 日射&摩擦から皮膚を守る |
6. おうちケア5か条

- 週1〜2回 の保湿シャンプー(セラミド・パンテノール配合)
- ブラッシングはピンブラシで優しく
- 日中はUVウェア&日陰散歩で紫外線ガード
- 高タンパク+オメガ3豊富なスキンケア食へ
- 月1回、同じ角度の写真で経過を管理
7. よくある質問
- どのくらいで生えそろう?
-
軽症で 3〜6 か月、重症は 1 年以上。再発しやすいので長期モニタリングが大切。
- 去勢・避妊で治るって聞いたけど?
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約 30% に改善が見られると報告。ただしホルモンだけが原因でないため万能ではありません。
- サプリだけで治療できますか?
-
メラトニンやオメガ3は補助的。必ず獣医師の診断・フォローと併用しましょう。
8. まとめ|“モフモフ復活”は早期発見から!

ポメラニアンの左右対称の脱毛+黒皮膚は要注意サイン。
感染症・ホルモン病を除外後、ホルモン調整+皮膚ケア+生活管理の三本柱で根気よく取り組みましょう。
今日のアクション
✔ 愛犬の尾根元とお尻をスマホ撮影 → 1か月後と比較
✔ 保湿シャンプー or メラトニンなど “まず1手” を獣医師に相談
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