新しく犬を迎えた飼い主さんの永遠のテーマ──「ケージ(=クレート)は本当に必要なの?」。
「閉じ込めるのは可哀想…」 という声もあれば、「安心できる自分の部屋になる」 という意見も。
本記事では獣医師・ドッグトレーナーの公式見解と、実際の体験談を交えながら
ケージ導入の是非をメリット/デメリットで整理し、“あなたの家では必要か” を判断するフローチャートまで用意しました。
目次
この記事で分かること
- ケージ vs クレート 何が違う?
- 獣医師・トレーナーが語るメリット&反対意見
- 留守番・夜泣き・災害…シーン別 判断フローチャート
- サイズ早見表&折りたたみ可否チェック
- 嫌がる犬でも成功するクレートトレーニング5STEP
ケージとクレートは何が違う?

ケージ:金属や木製の柵状。室内サークルに近く視界が広い。
クレート:樹脂 or 折りたたみ布製の個室型。飛行機・車移動で使う「ハードキャリー」も含む。
ドッグトレーナーは「どちらも“ハウス”という居場所」として併用を勧めることが多い。
【賛成派】ケージが必要とされる5つの理由

- 安全確保:留守番中の誤飲・感電を防ぐ
- トイレしつけ:寝床を汚さない本能を利用
- ストレス軽減:落ち着ける“自分だけの巣”になる
- 災害・避難:同行避難時の必須アイテム
- シニア期の介護:夜間徘徊・転倒防止に役立つ
【反対派】いらないと言われる3つの理由

- 閉じ込めストレス:狭い空間に慣れていないとパニック
- スペース問題:都心のワンルームでは置き場所が限られる
- 温度管理:夏場は通気性が低いと熱中症リスク
ケージ導入 判断フローチャート

Q1:留守番が1日4時間を超えるか?
├─ Yes → 安全確保目的で導入推奨
└─ No → Q2へ
Q2:災害時に同行避難が想定される地域か?
├─ Yes → 導入推奨(訓練を兼ねる)
└─ No → Q3へ
Q3:夜間に家の中を徘徊してイタズラする?
├─ Yes → 部分的に導入(寝室ハウス)
└─ No → スペースに余裕がなければ無しでも可
サイズ早見表&折りたたみチェック

体重 | 内寸目安 (cm) | 折りたたみ可 | おすすめ素材 |
---|---|---|---|
〜5 kg | 45×30×30 | ◎ 布 or 樹脂 | ソフトクレート |
5〜12 kg | 60×40×40 | ○ メタル | 折りたたみメッシュ |
12〜25 kg | 75×50×55 | △ 大型は不可 | 樹脂ハード |
成功するクレートトレーニング5STEP

- STEP1:扉を外して探検→嗅がせる
- STEP2:中でフードを与え“良い事が起きる場所”と学習
- STEP3:短時間扉を閉め、ごほうび追加
- STEP4:在室時間を30秒→5分→15分と段階的に延長
- STEP5:留守番や就寝で実戦投入、静かにできたら褒める
獣医師・トレーナーの見解

「クレートは“犬用シートベルト”のようなもの。突然の地震や通院に備え、
“入り慣れている” だけでストレス度が大幅に下がる」
―― VCA病院 行動診療科 Dr. Lisa Radosta
「『閉じ込める』ではなく『落ち着ける巣』になれば、
分離不安の治療にも応用できる」
―― AKC 認定ドッグトレーナー Victoria Stilwell
まとめ:あなたの家では要る?要らない?

ケージ(クレート)は目的がハッキリしていれば“必要”。
安全・避難・安眠 の3つのうち1つでも当てはまるなら、導入+正しい慣らしが愛犬のQOLを上げます。
家のスペースや犬種の特性を踏まえ、“ちょうどいいハウス”を選びましょう。
参考文献・参照リンク
- AKC『Why Crate Training Is Great For Your Dog』
- VCA Hospitals『Crate Training Overview』
- AVMA『Pets and Disasters』
- PAWS『The Benefits of Crate Training』
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